自然のささやきを奏でる家(柴田郡川崎町)【住まい手の声】

川崎町で「湖畔のちいさな音楽ひろば『杜音(とおん)」を主宰するピアニストのSさん=仙台市出身=。

 

海外留学を経て、関東を拠点に長年活躍してきたが、震災を機に、「古里を強く意識した」といい、コロナ禍で自粛が続く中、「地域と自然の中で、人を勇気づける音楽本来の原点に立ち返りたい」と両親が暮らす宮城での家づくりを決めた。

 

元々、環境問題にも関心を持っていたSさん。宮城県産材や漆喰など自然素材を使った木組みの家をつくる「サスティナライフ森の家」のことを知り、ホームページに込められた同社のメッセージにも共感。

「未来を見据えた自然保全や教育活動も行うサスティナさんの思いや取り組みに心を動かされました。施工例も拝見し、お会いする前には9割方お願いしようと決めていました」と振り返る。

 

3月のとある日。大黒柱にする木を伐採するため、雪解け水のせせらぎを聞きながら同社がグループで管理する森林『エコラの森』へ。

 

あらかじめ選んでもらっていた3本のスギの木を前に、「触ったり、声をかけたりしてみてください。自分の相棒はこれだという木は不思議なことですが、分かるものなんです」というアドバイスを受けて選定。

 

「森にはやはり妖精がいるのでしょうか。寄り添ってきてくれた一本を無事選ぶことができました」とSさん。

伐採後、「次は川崎町で会おうね」と心の中で声をかけたという。

 

「家が完成して初めてピアノを弾いた時、同じ楽器で同じ曲を弾いても、以前住んでいたコンクリートのマンションとは全く異なる自然な響きを奏でられました。ピアノも木でできていますから、木の家との相性も良いだろうとは思っていましたが、想像以上で。激しい曲でも楽に弾くことができるんです。心で呼吸ができている感じがとても良いですね。」

 

 

自然のささやきを奏でる家(柴田郡川崎町)

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自ら伐採した大黒柱を背に

自ら伐採した大黒柱を背に

自ら森林に出向いて伐採した、8寸角の大黒柱を背にピアノを演奏する川崎町のSさん。

存在感を放つ2本の丸太梁

存在感を放つ2本の丸太梁

丸太の梁が一際存在感を放つ。スタイリッシュなペレットストーブも◎。「毎朝、障子を開けて景色の変化を見るのが楽しみです」。

綿密な打ち合わせを経て導き出した空間

綿密な打ち合わせを経て導き出した空間

他楽器とのアンサンブルも視野に入れ、現場で天井の高さや空間のつながりに至るまで、綿密な打ち合わせを重ねてプラン。「音響もよく、森の中のコンサートホールで弾いている気分です」

造作家具は、事前打ち合わせでバランスを考慮

造作家具は、事前打ち合わせでバランスを考慮

手持ちの家具も同社の木の住まいにマッチするよう、事前にレイアウトを決めた。壁付けしたケヤキの造作カウンターはワークスペースに。

伐採前。山の神様にお参り

伐採前。山の神様にお参り

これまで森の中で生きてきた木に、これからは私の家を支える存在となって、共に生きてくれるようお願いしました。

チェーンソーで伐採

チェーンソーで伐採

チェーンソーのレクチャーを受けたあと、伐採です。 きこりさんがサポートしてくれます。

伐りたての木と

伐りたての木と

「次は川崎町で会おうね」